第15章 箱庭に流れる音色
「未だに原理は分かりませんが、まさか任務で役に立つ日が来るだなんて、あの日には想像もしていませんでした!万事解決です、ね!天元君!」
2人に同意を求められているが天元はついていけていない。
なんだったら杏寿郎も今日初めて見たはずなので天元と同じ反応をしてもいいものたが、柔軟に受け入れてしまっている。
天元としては色々突っ込みたいところだろうが、問題が解決したならばと渋々だが有り難く受け入れることとした。
「色々聞きてぇ……聞きてぇが、今は諦めるわ!んで、その問題が派手に解決したわけだが、他に分かんねぇこととか気掛かりなことはないか?なければ俺は染め粉だけ手に入れて来る。その間に準備を進めててほしい」
瞬時に真剣な表情に戻った天元の言葉に、2人は頷いて応えた。
「じゃあ一刻もしねぇうちに戻る!また後でな!」
そう言うと天元は2人の返事を聞く前に入ってきた縁側から目にも止まらぬ速さで去っていった。
「相変わらず速いですね!杏寿郎君、準備のお手伝いをお願いしたいのですが」
「む?それはもちろん構わんが、俺は何をすればいい?」
「髪を短く切ってください」
突然の断髪式に杏寿郎が巻き込まれた。