第14章 研究と緊急招集
その頃、更紗は杏寿郎の言葉通りのびのびとまではいかないが着実に鍛錬をこなし、瓢箪を破裂させようと奮闘していた。
「頑張れ!更紗なら出来る!長女なら乗り越えられる!」
「更紗ちゃん頑張って!……って長女関係ある?」
「長女が何か知らねぇが踏ん張れ!あと少しだ!」
3人の大きな声援に応えるため、更紗はミシミシと音を立て始めた特大瓢箪へ、肺の中の空気を血管が破裂するほどの勢いで吹き込むこと数秒。
近所にまで響き渡るほどの音を立てて、更紗は瓢箪を破裂させることに成功した。
「わ、われました!皆さんが応援してくださったお陰様です!ありがとうございます!」
息を切らしながら満面の笑みの更紗に、全員がワラワラと歩み寄り万歳三唱している。
「やったなぁ!煉獄さんも絶対喜んでくれるよ!」
「はい!それにしても……お腹が空いちゃいました。朝の作り置きですが、それでよければ一緒に昼餉にしませんか?」
更紗同様、早朝から杏寿郎に言い渡された鍛錬を続けていた3人も空腹だったようだ。
歓声を上げながら庭から母屋の玄関へと、我先にと駆け出していった。