第14章 研究と緊急招集
天元がしみじみとそんな事を言葉にしていると、それに実弥が食い付いてきた。
「聞いた話によるとあいつも上弦の鬼と闘ったらしいなァ?こう言っちゃ悪ィが、なんで生きて戻って来れた?」
その疑問こそ今日の緊急招集に直接繋がる内容となる。
「後で詳しく話すつもりだが、更紗がある術を用いて柱と同程度の力を発揮したのだ。猗窩座が更紗に直接的な攻撃を仕掛けてこなかったのも生きて戻れた大きな要因の1つだが、あの力を発揮したことが大きいと思われる」
杏寿郎の言葉にこの事実を知らなかった柱たちが目を剥いた。
そのような術があるならば、柱としては黙ってはいられないだろう。
一般剣士が柱と同程度の力を発揮できるとなると、柱である自分たちは上弦の鬼すら凌駕できる力を手にすることが出来る可能性が出てくるからだ。
「……んだよ、それ。更紗どうなってんだ?その方法を煉獄は知ってんのか?」
「煉獄さんだけでなく私も知っていますが、副作用があまりにも危険と思われますので、解決策が確立されるまで試さない方がいいと思います。それこそ命にかかわる問題ですので」
しのぶの凛とした声はその場の空気を凍らせた。
特に優しさの塊である蜜璃は、今にも涙を流しそうなほど目を潤ませてしまった。