第14章 研究と緊急招集
更紗が帰って数日、継子たちにとって厳しくも穏やかな、杏寿郎にとっては育てがいのある継子の指導や任務に追われつつも充実した日々が続いていた。
そんな日々が続いていたある日の昼下がり、杏寿郎は鬼殺隊の本部である産屋敷邸の一部屋で、他の柱たちと共にお館様の到着を待っていた。
「煉獄ー、今日は珍しく姫さん呼ばれてないんだな!柱合会議の度に呼び出されて、派手に身ぃ縮こませてお前の隣りに座ってたから、いないと違和感あるわ!」
今日は柱合会議ではないが、緊急招集なので柱が勢揃いだ。
一般剣士である更紗としては天元に違和感を持たれようと、呼ばれない方が精神衛生上いいだろう。
「内容が内容なのでな!今頃のびのびと竈門少年たちと鍛錬に勤しんでるだろう!それに本日の夕刻頃に破損、紛失した日輪刀が届けられるとの事で、朝からソワソワしていたぞ!」
更紗と炭治郎は日輪刀が手元になかったため、杏寿郎、伊之助、善逸が任務へと赴く際は申し訳なさそうに視線を床に落としていたのだ。
その様子を不憫に思っていた杏寿郎も、これで一安心だと顔を綻ばせた。
「そりゃあ良かったじゃねぇか!てか、つくづくお前ら上弦ノ参相手によく日輪刀の破損だけで済んだよな!腕の1本や2本なくなっててもおかしくねぇ状況だ……お前も姫さんも、やっぱとんでもねぇわ」