第14章 研究と緊急招集
「女の子の身でそこまで出来れば十分じゃ……ううん!その鍛錬があるから、更紗ちゃんは炎の呼吸を扱えるんだね。私も負けないように頑張る」
胸の前でキュッと握り拳を作るカナヲはやっぱり可愛く、更紗は抱えた瓢箪を腕の力で割ってしまいそうになった。
「一緒に頑張りましょう!もしよろしければ、今日のお礼に今度私の鍛錬をしませんか?女の子と一緒にしたことがないので、私がしてみたいのですが」
「あ、うん。機会があればお願いしようかな」
必死に笑顔を作っているが、冷や汗が流れている。
更紗には耐えられる鍛錬だが、その鍛錬に慣れていないカナヲには一朝一夕でこなせるものではない。
……ここは適材適所なのだろう。
更紗は杏寿郎の指導のもと肉体を鍛え炎の呼吸を極める。
カナヲはしのぶの指導のもと体内組織を鍛え花の呼吸を極める。
どの呼吸も基礎体力は必要不可欠だが、呼吸の特性に合わせた鍛錬があるのだと、カナヲは今日この日を持って改めて実感した。
互いに違う意味合いでニコニコと向かい合っていると、更紗の待ち人の声が庭に響き渡った。
「待たせた!胡蝶へ挨拶をして……なぜ瓢箪を抱えている?」