第14章 研究と緊急招集
息も絶え絶えに更紗は特大の瓢箪に縋り付く。
「あの、これを持って帰ってもいいですか?」
とんでもない発言にカナヲが笑顔のまま固まり、更紗と瓢箪を交互に見やる。
「持って帰ってもいいけど……炎柱様に運んでもらうの?」
カナヲの質問に更紗は首を左右に振ると、特大瓢箪を両手で抱え、ヒョイと軽々と持ち上げた。
「いえ!これくらいならば私で運べます!おそらく今日で破裂させることは叶わないので、家に帰って挑んでみます!」
「……ちなみに更紗ちゃんは普段どんな鍛錬をしているの?」
瓢箪と言えど特大瓢箪だ。
大きさもさることながら、重さもそれ相応の重さがある。
そんな瓢箪を軽々と持ち上げる更紗の鍛錬内容が、カナヲはどうしても気になってしまった。
「素振りと師範との打ち合い千回ずつ、基礎鍛錬各百回、山で障害物を避けながらの走り込みに任務での実地訓練……ですかね?ようやく最近慣れてきたところで……お恥ずかしい限りです」
まるで、最近ようやく文字が読めるようになりました
みたいな雰囲気で言っているが、そのとてつもない肉体改造計画のような鍛錬に今度はカナヲが目眩を覚えた。