第14章 研究と緊急招集
どうにか渡された1冊を読み終わった時、部屋の扉がゆっくりと開いた。
「カナヲさん!お久しぶりです!来てくださったのですか?実はお庭を探索している時、カナヲさんをこっそり探していたのですが、なかなか見つからなくて」
小芭内に引かれた勢いで扉の前に佇むカナヲに更紗が走り寄ると、やはりカナヲは僅かに後ろにのけ反って引いているが、以前に那田蜘蛛山で会った時よりも表情が柔らかくなっているようだ。
「今度話すって約束したから……」
小さな声だが、それよりも会いに来てくれたことが更紗には嬉しく、与えてもらっている部屋へ招き入れた。
「私、カナヲさんにお聞きしたいことがあるのです」
「聞きたいこと?」
更紗はコクンと頷き、カナヲの手を握る。
「普段、どのような鍛錬をされていますか?継子をとってらっしゃるのは炎柱様と蟲柱様だけなので、1度聞いてみたかったのです!」
目をキラキラさせる更紗にカナヲは目を丸くするも、小さく笑みを零して握られている手を引いて扉へと促した。
「じゃあ今から一緒にしよう。瓢箪はたくさんあるから」
「……瓢箪ですか?瓢箪で鍛錬ですか?」
更紗の質問にカナヲはただ笑顔で応えるだけだった。