第14章 研究と緊急招集

「大事ないのであれば良かったが、やはり瞳の色は心配になる」

「しのぶさんが、瞳の色の変化が痣の代わりかもしれないと仰られていましたよ」

その痣がどのような副作用をもたらすのか分からないので、痣の代わりと言われて杏寿郎の胸は漬物石が乗ったかのように重苦しくなった。

本人が身体能力上昇の際の副作用は克服していると言っているが、それと痣の副作用が同じかは未だに不明なのだ。

それもこれも緊急招集会議には判明するはずなので、杏寿郎は気持ちを切り替えて更紗の頭から離れ、近くに来ていたしのぶへ向き直る。

「何もないことを祈るしかないな。胡蝶、威力は見ての通りなのだが、果たして一般剣士がこれを試したとして同じようになるだろうか？俺が見た限りでは、せめて常中くらい会得してなくては厳しいと思うのだが」

「そうですね……全員が全員成功するのは難しいかもしれません。煉獄さんの仰る通り常中は必須として、現段階で成功する可能性が高いのは柱と……煉獄さんの指導次第ですが炭治郎君たち、うちのカナヲくらいでしょうか」

該当者のあまりの少なさに更紗は目を見張るが、このような鬼に対して有効な力を鬼殺隊の全員が会得するなど、上手い話はないということだ。