第14章 研究と緊急招集
その発言の後、一瞬場の空気が停止したが、すぐに2人が立ち上がって更紗を諌めはじめた。
「何を考えている??ほんの2日前に苦しい思いをしたばかりだろう?!許可しかねる!」
「貴女は無茶ばかりして!自分の体をもっと大切にしてください!」
普段優しい人が怒ると怖いと更紗は身を持って知った。
だが、更紗もただ自分の体を犠牲にして試すとは言っておらず、何か意図があるようで涙目ながら訴える。
「仰ることは重々承知しております。ですが、数回使った感覚から分かったことがあるのです!命の危機、寿命の短縮については1度目に発動した時に課せられるもので、その後はそう言った感覚がなかったのです。私の肺の細胞の損傷はその時から続いていて、度重なる技の発動や心身の疲れから、偶然あの時に症状として現れたのだと思います」
杏寿郎としのぶは立ち上がったまま、更紗の言葉の真偽をその表情をみて確認する。
だがよく考えてみれば、ここで体を犠牲に無理を通してもすぐにバレて、今以上の叱責を受けることになるのに嘘をつく理由が思い浮かばない。
2人は静かに腰を下ろし、どうしたものかと顔を見合わせている。