第14章 研究と緊急招集
そんな午後の一時の後、2人は応接室でしのぶと緊張した面持ちで向かい合って座っている。
それもこれも、近日中に行われる緊急招集会議で議題に上がる痣の発現と身体能力上昇について、更紗からの情報収集に加え力の有益な使用が出来るかの確認をするためである。
「さて、更紗ちゃん。私たち柱は数日中にお館様から緊急招集がかかります。その理由は察しがつきますね?」
もちろんここ最近で自分の身に起こったことを把握している更紗は頷くしかない。
例えここまで大事になるとは予想していなかったとしてもだ。
「はい。まさか柱の方が緊急招集されるような事態に発展するとは、思ってもみませんでしたが……身体能力上昇についてですよね?」
「そうです。私や煉獄さんでさえ想像以上の本部の反応に驚いています。それはともかく、身体能力を上昇させた際の体の変化について、一つお聞かせください……体の何処かに痣は現れましたか?」
やはり杏寿郎の思った通り、更紗自身も把握していないようで首を傾げている。
そして今更体のあちこちを見ているが、見つかるはずもない。
「痣は確認していなかったので現れたかどうかは分かりません。もしよろしければ、今試してみましょうか?」