第14章 研究と緊急招集
更紗の見舞いへと蝶屋敷にやって来たが部屋におらず、目撃証言をもとに探し当ててみれば、小芭内は言葉を失っており、更紗は反対に晴れやかに笑っている。
状況が全く呑み込めず首を傾げていると、小芭内に腕を強く引かれそのまま庭へと連れ出された。
「月神、少し煉獄と話しがある。そこで待っていろ」
「は、話し?珍しく慌てているな!更紗、胡蝶が探していたので部屋に戻っていてくれ!俺も後で向かう!」
そこで待てと言われたり部屋へ戻れと言われたり、自分の所在に戸惑ったが、しのぶが探しているならばと部屋へ戻ることにした。
「では部屋に戻ります!伊黒様、お話し聞いてくださってありがとうございました!」
元気に手を振る更紗を確認すると、その姿が見えないところまで移動して杏寿郎を解放する。
「一体何があったのだ?更紗に何かあったのか?」
「そうじゃない。月神の半生はどうなってる?なぜ笑っていられる?俺の血が穢れていると話せば、あの屋敷で日の元を歩けぬような輩も治癒していた自分も大差ないと言っていた。しかも防ぎようがなかったのではないかと言えば、俺を綺麗で眩しいと返してきた。なぜ自分も辛いと言わない?理解出来ない」