第14章 研究と緊急招集
そして治癒を終わらせ息を着く更紗に素朴な疑問を投げかけてみた。
「君は俺が怖くないのか?」
腕の傷がきちんと治っているか確認していた更紗は、突然の質問に首を傾げ、キョトンと綺麗な小芭内の瞳を見つめ返す。
「怖いとは……何がでしょう?伊黒様を怖いと思える要素が見当たらないのですが……」
小芭内が呆気に取られ言葉に詰まっていると、首元にいた蛇がその手を伝って更紗の腕へとシュルシュルと移動していき、首元へ到着し頬へ頭を擦り寄せた。
「お、おい、鏑丸!」
「わわっ!フフッ、可愛らしいですね!鏑丸さんと言うのですね。動物に好かれる人は優しいと相場が決まっています!やはり伊黒様はお優しいのですよ!」
普通の女子なら蛇を怖がるが、世間から隔離されて生きてきた更紗からすれば、擦り寄ってきてくれる生き物は全て可愛いと分類される。
「あ、いや。見た目の話しだ」
「見た目……ですか?それは包帯の事でしょうか?……私は顔に包帯を巻いていなくても怖い人を多く見てきたので、私からすればお顔の包帯は恐怖の対象にはなりません」
その言葉に小芭内は1度目の柱合会議の前に、お館様が言っていた言葉を思い出した。