第14章 研究と緊急招集
「信じ難いですが、更紗ちゃんの能力自体も信じ難いものですから、信じるしかないですね。でも、強制的に異常な状態を体に強いるのですから、相当な負担が生じるのではないですか?」
「あぁ、更紗曰く、自分は特異な能力を持ち合わせているゆえ命に別状はないが、普通の人間の場合、命の危険、もしくは寿命を大幅に削る可能性があるとの事だ……だが、それほどの負担があるならば、今回の咳はそれが原因ではと考えている。胡蝶はどう思う?」
人が通常羅漢する病気や、任務で負った怪我などについてならば、しのぶもある程度予測を立てて意見を述べられるが、今回の件に関しては前例がないので押し黙ってしまう。
しかし、身体能力を上昇させる術は鬼殺隊の柱として見過ごせない。
何かしら副作用を抑える方法を考えることが出来るのはしのぶだけ。
更紗のため、鬼殺隊の未来のために今までの経験則、更紗の能力を頭の中で整理して返事をする。
「憶測に過ぎませんが、命の危険、寿命の短縮を防ぐために更紗ちゃんの能力が一時的にそちらへ集中している可能性があります。許容範囲を超える肺の使用に細胞が傷付いたとしても、そこに力が割けないのではないでしょうか?そして今の症状に至る……が1番有力な説かと」