第14章 研究と緊急招集
そんなしのぶの表情に更紗は申し訳なさを感じながら差し出してくれている瓢箪に口をつけ、恐る恐る喉へと流し込んでいく。
喉を流れる瞬間、僅かに痛みが走ったが、その後は嘘のように痛みがなくなり、今まで痛みであまり飲めなかった分を補うように更に喉へと流していった。
そうして一心地ついたところで瓢箪から口を離し、心配そうに見つめている3人へ笑顔を向けた。
「喉の痛みがなくなりました。ゴホッ……杏寿郎君、天元君、しのぶさん、ありがとうございます」
咳は未だに続いているが、笑顔の戻った更紗に一同胸を撫で下ろした。
「まだ喉の痛みが引いただけです。きちんと処置をして、更紗ちゃんはゆっくり休まなくてはいけませんよ……煉獄さん、宇髄さん、うちへ急ぎましょう。裏口へ案内しますので着いてきてください」
「恩に着る、胡蝶」
しのぶが笑顔で応え立ち上がって移動を開始すると、杏寿郎と天元もその後に続いて移動を開始した。
移動による揺れと杏寿郎の心地よい温かさ、喉の痛みが引いたことにより更紗は一気に眠気に襲われるが、しのぶに診てもらうまではと必死に意識を保たせていた。