第13章 新居と継子たち
炭治郎たちは顔を見合せ、肩を落として首を左右に振った。
「いえ、俺たちでは煉獄さんや宇髄さんの速度に着いて行けません……それに俺は日輪刀もないので、鬼が出た時に対処出来ず足手まといになります。更紗は心配ですが、俺たちは夜が明けて煉獄さん達が帰らなければ向かいます」
「そうか……越してきたばかりですまないが、留守を頼む」
杏寿郎が全員に目配せして笑顔を向けると、それに応えるように頷き返した。
それを確認して、杏寿郎は更紗を抱え上げる。
「あ……じ、自分で歩けますよ?それに炭治郎さんたちに謝罪も……」
「お前そんなこと言ってる場合じゃねぇだろ!死んだら許さねぇからな!早く治してもらって帰ってこい!」
伊之助が更紗の頭をポカポカ叩こうとしたが、さすがにそれは善逸に止められ、空気を叩くかたちとなっている。
「伊之助の言う通りだ。煉獄さん、これ以上更紗が喋らないうちに行ってください!」
「ああ!分かった!では行ってくる!」
もう更紗が異議を唱える隙すら与えられず、杏寿郎に運ばれて強制退場させられた。