第13章 新居と継子たち
思いもしなかった朗報に炭治郎の表情はみるみる明るくなり、大きく頷いた。
「はい!ぜひお願いします!悩んでたんですが、やっぱり煉獄さんに相談してよかったです!」
「悩みが晴れたのなら何よりだ!そのヒノカミ神楽とやらが竈門少年の新たな力になりうるなら、早々に煉獄家へ赴いた方がいいな!さっそく数日中に」
「ゴホッゴホッ!」
突如部屋に苦しげに咳込む音が響いた。
全員がその音の発生源へと瞬時に視線を移すと、両手で口元を押さえ身を屈める更紗の姿があった。
「更紗!どうした?!何が……誰か!水を持ってきてくれ!」
「お、俺が持ってきます!更紗ちゃん、待ってて!すぐに持ってくるから!」
善逸が雷の呼吸で培われた瞬足で台所へと向かっていく。
その間も更紗は咳き込んでいたが、杏寿郎が背中を撫でてやっているからか、徐々におさまってくる。
「申し訳……ございません。大……丈夫、もうおさまりました」
そう言って更紗は口元に当てていた手をギュッと握って膝に下ろすが、それを天元に掴まれ握っていた拳を開かされる。
そこには血がべったりと付着していた。
「姫さん、心配かけたくねぇ気持ちは分からんでもないが、これは流石に隠してちゃまずいだろ」