第13章 新居と継子たち
「俺と更紗を炙り出そうとしているのかもしれないな」
「なんでお前らを炙り出してぇんだ?!三四郎とヒョロがりが何かしたのか?!」
「いえ、私たちはなにも……したのでしょうか?」
賑やかな継子たちの疑問に、杏寿郎が答えた。
「君たちの場合、存在そのものが鬼舞辻にとって不利益があるか益があるかのどちらかだ。炙り出されているならば、こちらもそれを逆手にとって炙り出してやればいい!どちらにせよ、俺たち全員が更に力を付ける必要がある。それこそ上弦の鬼と渡り合えるほどのな!」
上弦の鬼は6体いる。
下弦ならば柱1人で十分事足りるが、上弦はそうもいかない。
上弦ノ参である猗窩座でさえあの力量だ、その上の壱や弐はそれを更に上回る力を持つ。
やはりこれから予想される上弦の鬼との闘いには更紗が使った身体能力を上げる方法の他に、新しい力が必要となる。
「まぁ、まだ今回のが上弦と決まったわけでも、姫さんたちが同行するって決まったわけでもねぇ!とりあえず各々力を付けて有事の際に備えるこった。お前らは煉獄から課せられる鍛錬をこなし、盗めるもんは盗んどけ。糧になることはあっても無駄になることは絶対にねぇから。強ぇ煉獄に見込まれたんだ、期待に派手に応えろ!」