第13章 新居と継子たち
「どういう事だ?更紗と竈門少年だけでは力不足なのか?!」
「なんで俺がてめぇの任務に行かなきゃならねぇんだ!」
「え、俺怖いの嫌なんだけど!飛び火した感じなら消したいんだけど!」
3人の大声が風呂場内に響き渡った。
通常の聴覚の者でも耳を塞ぎたくなる騒音だ、聴覚が人並外れた天元からすれば耐え難いに違いない。
「あぁーもう!!お前らうっせぇ!俺の鼓膜破れるだろ!」
「破れちゃえばいいのに……グヘッ!」
例え小さな悪口でも天元の耳はしっかり捉える。
聴覚がいいので。
天元は善逸の頭に手刀をかまし、浴槽から立ち上がった。
「風呂場ん中だと、出る頃には俺の耳が機能しなくなる。姫さんも交えて話してぇし、部屋で聞いてくれや」
「ふむ、それは構わんが……1つ言っておくことがある!俺の継子を全員引き連れる前提で話しが進んでいるが、更紗と竈門少年の日輪刀は現在修復、もしくは製作中だ!いつ出立かは知らんが間に合うか?」
「え、嘘だろ?先に言えよ!……って言われても俺、女剣士の知り合い少ねぇから選択の余地なかったわ……あぁ……間に合わなかったら胡蝶んとこの奴か……めんどくせぇ」
まさかの展開に天元の肩はガクリと落ちた。