第13章 新居と継子たち
更紗もそんな禰豆子の小さな体を抱き締め返し、その温かさにホッと息をつく。
「今日から当面の間、ここが禰豆子さんや炭治郎さん、善逸さん、嘴平さんのお家です。母屋には杏寿郎君も私もいるので賑やかですよ!」
「むーー!!」
禰豆子は両手を上げて喜びを表し、再び更紗の体にしがみついた。
……もう更紗は蜜璃のように胸をキュンキュン鳴らしている。
「可愛いすぎます!あ、禰豆子さん、一緒にお風呂に入りませんか?浴衣や手拭いの準備はばっちりですよ!」
「んむ!」
目を細め頷く禰豆子に笑顔で応え抱き上げると、更紗の結い上げている髪の毛が気になるのかフワフワと両手で触れている。
「禰豆子さんも髪を結ってみますか?私と似たような髪型でよろしければですが」
鬼になってしまったと言えど中身は年頃の女子だ。
頬を紅潮させて更紗の提案に嬉しそうにはしゃいでいる。
「フフッ、では髪を洗い流したら結い上げましょうか。まずは背中を洗いあいっこです」
各々終始笑顔を途切れさせず、足取り軽く離れの風呂場へと姿を消して行った。