第13章 新居と継子たち
「だろうな。鬼の……鬼舞辻無惨の滅殺が鬼殺隊の長年に渡る悲願なわけだし。けど、それを知ったら姫さん、派手に自分責めんだろうな、自分が原因で……とか言い出しそうだ」
「あぁ、十中八九確実にな!だが、何か最悪の状況を回避する方法があるかもしれん!あの子が自責の念にとらわれぬよう、お館様や胡蝶の意見も聞いてみるのが1番だな!すまない、空気が湿っぽくなってしまった。そろそろ風呂に向かうか!」
相も変わらず前向きな杏寿郎に天元はニカッと笑顔をうかべ、肩を組んで風呂場へとうながす。
「謝ることじゃねぇだろ!鬼舞辻倒せて全員が生きていられたら、それこそ最高の未来じゃねぇか!諦めず最後までもがいてやろうぜ」
「勿論だ!ところで宇髄、もう今日は泊まっていってはどうだ?本当は宿、とってないのだろ?」
「え?バレてた?一応お前らに遠慮してたんだけど。新居で初の夜を迎えると言やぁ、何かするだろ?」
いつも通り変なところに気がまわる天元に、杏寿郎は視線を合わさぬまま言葉を返す。
「ふむ!俺は最後までことを行うのは婚姻関係を結んでからと決めている!なので心配無用だ!」
「嘘だろ……本気かよ?」
…… 更紗の罷り知らぬところで話しは天元に漏れてしまった。