第13章 新居と継子たち
「黄色い少年は相変わらずだな!それはともかく、更紗は竈門妹の様子を見に行ってやってくれないか?もし目覚めていたとしたら、見知らぬ場所に1人では心細いだろうからな」
杏寿郎の提案に更紗は頬を緩ませフニャッと笑顔になり、勢い良く立ち上がった。
「お任せ下さい!あ、でも炭治郎さんにお断りを入れなくて大丈夫でしょうか?」
瞬時に眉を下げる更紗に、杏寿郎も立ち上がってその頭を撫でる。
「俺から言っておくので心配するな!竈門妹の事は頼んだぞ!」
「ありがとうございます!では行ってまいります!天元君、ゆっくりして行ってくださいね!」
「そうさせてもらうわ!姫さん、あんま慌てて転ぶなよー」
2人に見送られ、更紗は意気揚々と離れへと小走りで向かって行った。
そして継子全員がいなくなった部屋の空気は一気に張り詰めたものとなる。
「宇髄、お館様の判断によるが……恐らくあの飛躍的に身体能力が上がる方法、使うことになるだろうな」
そこには先ほどまで柔らかな笑みを浮かべていた杏寿郎はおらず、鬼殺隊の柱としての顔をした杏寿郎がいる。
そして天元も同じく柱としての顔を覗かせていた。