第13章 新居と継子たち
「と言うことは、柱に劣らぬ威力の技を出せたこと、身体能力の飛躍的な上昇は無尽蔵に動ける体にするためにした事による副産物ということになるのか?」
まさかの事実に杏寿郎も他の面々も目を点にしている。
そんなことはないと言いたかったが、杏寿郎の言ったことが事実なので頷くしかない。
「そうなります……私もまさかあんな事になるとは思っていませんでした」
「まぁ、初めて試したことな訳だし、何が起こるか分かんねぇ状態だったんだから仕方ないだろ……副産物が派手にエグいけどな。んで、その副産物の発動条件とか気になったことは?」
皆が聞きたいのはここだろう。
天元が更紗に促したことにより、全員の表情が真剣になった。
「私、風邪などを引いたことがないのではっきりとした数字は分かりませんが、体温はすごく高かったと思います。平常時より3、4度上がっていたような感じです。あとは心拍数、これは通常より倍ほどの速さでした。おそらくこの2つが副産物の発動条件です」
通常ならば歩くことはおろか、動くことすら苦痛に感じるほどの体の異変だ。
その状態で大技を放った人物が目の前にいるので信じるしかないが、信じ難い事態である。