第13章 新居と継子たち
夕餉後、皆で茶を飲みながら更紗の体に起こった異変について話すこととなった。
「では更紗、先の戦い、今日の鍛錬で君の体の中で一体何が起こったのか教えてくれ。これからの鬼との闘い……特に十二鬼月との闘いで大きな影響を与えるかもしれんからな」
杏寿郎の言葉に更紗の中で緊張が走った。
自分でやらかした事とは言え、そんなに大事になるとは思ってなかったからだ。
全員が静かに見守る中、更紗は緊張を抑えるため深呼吸をしてから口を開く。
「はい。1度目の時、私は混乱や緊張で極度の興奮状態だったと思います。猗窩座は私に直接攻撃を放ちませんでしたし、脚を傷めていましたので……早く治さなければと。そんな中で杏寿郎君としのぶさんの言葉を参考に……」
「姫さん、ちょっと待て。煉獄と胡蝶の言葉ってなんだ?悪ぃけど、そこから教えてくれ」
天元の制止の言葉に更紗は眉をハの時にして頭を下げ、説明をした。
更紗の自己修復能力を上手く使えば無尽蔵に動ける体であること。
それを実現するためには自己修復能力のみでなく、体内に蓄積している力も使う必要があること。
そしてしのぶが教えてくれた血液を媒介とした治癒は、輸血と同義だということ。
つまり、力そのものは血液中を漂っており、血液の流れをよくして身体中に行き渡らせると無尽蔵に動ける体になるのではという考えに至ったこと。