第13章 新居と継子たち
「何してんの?!頭飛んじゃったみたいでちょっと怖いんだけど!てか、柱の前で被り物したままってどうなの?」
そう言いつつも猪頭を拾ってやり、伊之助の前に置いてやっている。
「被り物くらい構わねぇけど……お前、意外と端正な顔立ちだな!って、免疫あるっつってたけど、派手にデコが腫れてんじゃねぇか。姫さん見たら卒倒するぞ」
天元の言葉通り、伊之助の端正な顔立ちに似つかわしくないたんこぶが額に出来上がっていた。
「ふむ、確かに痛々しいな!待っていなさい、薬を取ってくる!」
「いらねぇ!平気だって……むぐっ!」
「お前もう黙ってて!せっかく煉獄さんが用意してくれるって言ってるんだから、それを無碍にするなよ!それに更紗ちゃんがそれ見て力使ったらどうすんの?!」
賑やかに言い合いを繰り広げる2人を笑顔で見届けながら、杏寿郎は部屋を出て薬を取りに行った。
こうして夕餉が終わるまで終始賑やかに過ぎていった。
……余談であるが、杏寿郎に薬を塗られている間、伊之助は終始大人しくホワホワとしていた。