第13章 新居と継子たち
「煉獄さんは座っててください!俺、実家が炭焼小屋をしてて、米を炊いたりするの得意なんです。本当は俺が1人で出来ればいいんですが……」
しょんぼりする炭治郎に杏寿郎は笑顔を向け、肩に手を置いた。
「いや、それでは更紗がソワソワしてしまう。俺の生家にいる時もよく千寿郎と共に作っていたのだ。竈門少年が手伝ってくれて、米を炊くのが得意ならば更紗も喜ぶだろう。よろしく頼む」
「はい!任せてください!伊之助と善逸はまだ頭痛いだろうから、ここで待っていてくれ!」
先ほどまでのしょんぼり顔は吹き飛び、今度は元気に台所へと早足で向かって行った。
残された伊之助と善逸は2人の柱と同じ部屋にいるわけだが、いつも何かと気を遣ってくれる炭治郎や、全員と親交のある更紗がいなくなり所在なさげに小さく縮こまっている。
それに気付いてか気付かずか、杏寿郎が話題を振ってくれた。
「ぶつけた頭は痛まないか?痛むなら薬を用意するが」
「これっくらい余裕だ!俺は2度目だからな!デコぱち郎の頭突き、免疫がある!」
元気だと表すように伊之助がピョンと上にあげた腕が猪頭に引っかかり、勢いよく飛び上がって畳を転がった。