第13章 新居と継子たち
すると猗窩座戦の時と同様、急激に体温と心拍数が上昇し体が軽くなる。
熱や心拍数の急激な上昇に体が驚いているようだが、自己修復機能がジワジワとそれを鎮め、ただ身体能力が上がる感覚だけが残った。
あと瞬き1つで3人の手が自分を捕らえるところで、更紗は床を両脚で強く蹴り跳躍してどうにかその場を脱した。
……更紗は危機を脱したが3人は更紗を捕まえようと勢いをつけていたので、突然標的がいなくなり自分たちの勢いを殺すことが出来ず、互いに頭突きをする形で動きを止めた。
そんな中、炭治郎のみが意識を保っていたが、全身で息をしているので更紗を追いかけるどころではない。
それを確認して更紗が杏寿郎と天元に体を向けると2人が血相を変えて近寄って来た。
「更紗、瞳の色がまた薄くなっているぞ!……ひとまず2人が意識を取り戻すまで休息とする!」
「いきなり何が起こった?姫さんの身体能力派手にぶちあがっただろ?!って熱あるじゃねぇか!煉獄、どうなってんだ?!」
そこへ息を切らせながらも、心配そうに眉をひそめた炭治郎もやって来た。
「熱があるのか?ごめん、気付かずに追いかけてしまって……大丈夫か?」