第13章 新居と継子たち
畳に今にも倒れ込みそうだった善逸が飛び起き更紗に詰め寄ろうとしたが、炭治郎に腕を掴まれ阻止された。
「女性にいきなり詰め寄るのはよくないぞ!そんな事しなくても更紗は答えてくれるから焦るな。ごめんな、更紗」
特に更紗は気にしていなかったが、もしかすると杏寿郎の手前、善逸を止めたのかもしれない。
いつもの杏寿郎との静かな時間が更紗はお気に入りだったはずなのに、賑やかなのも好きなのだろう笑顔で首を左右に振った。
「いえ、お気になさらず。私は現在、丙の位を与えていただいています。善逸さんも杏寿郎君に鍛錬を付けていただくと、すぐに丙になれますよ」
簡単に言っているが、すぐに上がるものではない。
日々杏寿郎から課せられる厳しい鍛錬と任務をこなしているからこそ、短期間で丙まで上がったのだ。
「うむ!すぐに上がるとは言えないがな!人それぞれ成長速度が違うので、俺は君たちを誰かと比べたりはしない!だが、鬼は君たちが強くなるのを悠長に待ってはくれん。こうしている間にも鬼は力をつけ、人々を襲う。それを阻止するため、俺が君たちを立派な剣士にしてやる!鍛錬は厳しいが、安心してついてくるといい!」