第3章 出会い
「更紗に千寿郎、どうした?」
いきなり来たにも関わらず、怒らずに2人を迎えてくれた。
きっと、2人が家の事をほっぽり出して来たのではないと分かっているのだろう。
「僕がお誘いしました!更紗さん、家事の手際が良くて片付けも昼餉の準備もあっと言う間に終わってしまったので」
杏寿郎は朝餉の準備をしていた時のことを思い返した。
「うむ!確かに手際がいいな!千寿郎も早いし、2人ですればさぞかしすぐに片付くのだろうな!ならば、一緒に素振りをして行くか?」
突然の杏寿郎からのお誘いに千寿郎は目をキラキラさせて喜んでいる。
「よろしいのですか?!兄上!」
ニカッと笑い杏寿郎は大きく頷いた。
一方、更紗は木刀を握った事すらないので、邪魔になるのではないかと尻込みしている。
「私は……木刀を握った事がないので、お2人の邪魔にはならないでしょうか?」
不安げな更紗に、2人はかぶりを振った。
「誰でも何かを始める時は初心者だ!何も心配することはない!」
「そうですよ!一緒にやってみましょう!」