• テキストサイズ

月夜の軌跡【鬼滅の刃】

第11章 夢と現実 壱


先を走る伊之助を叱りつけながらも更紗に一言残し、炭治郎は肉塊を避けて後に続いた。

だがその陰から運転手と思われる男性が錐のようなものを手に炭治郎に突進する姿が更紗の目に映り、邪魔をしてくる肉塊を斬りながら男性の背後に回って手首を捻って凶器を取り上げた。

「更紗!」

「行ってください!私は大丈夫です!」

更紗は運転手を肉塊が蠢く床へと押し倒し、迫りくる攻撃を一掃するために構えを……紫炎の呼吸の構えを取った。

星炎燎原は新たに出現しようとしていた目や、迫り寄って来ていた肉塊をバラバラに切り刻んだ。
鬼は細かく肉を裂かれ修復が追い付かないのか動きを見せない。

その間に炭治郎と伊之助はこの場から駆け出し、目的を果たすために行動を開始した。

「どうして……どうして邪魔をするんだ!俺は夢を見たいんだ!幸せな夢を見て何が悪い?!」

床で倒れる運転手は悲しみに打ちひしがれ、全身を震わせて泣いているようだ。
その姿があまりに辛そうで更紗の胸を締め付けるが、運転手の行動に賛同は出来なかった。

「幸せな夢は見ていたいですよね……ですが、そのために他の人の幸せや命を踏みにじる行為は看過出来かねます」
/ 1883ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp