第11章 夢と現実 壱
辺りに視線を巡らせると2人を眠らせようとしている目があちらこちらに出現していたので、それを流れるように体を滑らせながら剣術のみですべて切り裂く。
その様子を見ていた炭治郎が笑顔で更紗へと走り寄ってきた。
「来てくれたんだな!助かったよ!あの目に苦戦してたんだ」
「いえ、もうあの目とは散々闘った後なので慣れていたといいますか……それよりも無事で何よりです!今はどのような状況でしょうか?」
杏寿郎曰く身の毛もよだつ状況を切り抜けた更紗はその時の光景を思い出し身震いしたが、その経験が役に立ったことに救われた気持ちになった。
そんな様子の更紗に炭治郎は首を傾げながらも匂いである程度察したのか深く追及することなく、労わる視線を向けつつ状況を伝えるために口を開きかけたその時、それを阻害しようと大量の肉塊が3人を襲い始めた。
「炭治郎さん、嘴平さん!なんとなく事情は分かりました。何か考えがあるならば実行してください!この肉塊と目は私で対処します!」
更紗は2人に襲い掛かる肉をはねつけながら行動を促す。
「なんか悔しいが文句は後だ!三太郎、行くぞ!」
「何で文句が出てくるんだ!悪い、更紗ここを頼む!」