第3章 出会い
そんなこんなで千寿郎にとって心労が耐えずも、久々に複数で朝餉をとった3人は腹も心も満たされ茶を啜っていた。
(更紗さん、こんなに華奢なのにあれだけの量のお米はどこにはいるんだろう?蜜璃さんと同じ体質でしょうか?兄上の元には似た感じの人が集まる……?)
蜜璃とは最近、杏寿郎の推薦で柱となった甘露寺蜜璃である。
しなやかな女性らしい体つきだが、筋肉が通常の8倍詰まっており、食事の量は大食らいの杏寿郎をもゆうに超える。
以前、この家に住みこみで杏寿郎の弟子をしていた少女だ。
聞くに聞けず胸の内で考えているが、杏寿郎はそんな弟の心中は分からないので今日の予定を伝えてきた。
「今日の夕刻には俺は任務で家を空ける!ゆえに昼まで鍛錬を行う。昼餉後は任務に向けて一休みするのだが、更紗は千寿郎と家の事を頑張ってくれ!千寿郎、更紗に色々教えてやってくれ!」
先程の心中の疑問は解決されないが、いつもほぼ1人で家のあれこれを処理している千寿郎である。
共にそれをしてくれる人がいる事は有難いし、寂しさも感じないので嬉しい。
「もちろんです!更紗さん、一緒に頑張りましょう!」
嬉しそうな千寿郎に更紗も自然と笑みを零しながら頷く。
「はい、よろしくお願いいたします、千寿郎さん」