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月夜の軌跡【鬼滅の刃】

第10章 裁判と約束


つまり、なすべきことをしろと言うことだろう。
鬼殺隊の剣士として最善を尽くすならば、僅かな危険には目を瞑り先を見据えて行動しろと。

更紗は震える手を握りしめるが、震えが収まるどころか体全体に広がっていく。

被験体になってもらうという事は、体に傷を故意につけなくてはならない。
しかもその先にあるのが安寧とは限らないのだ。

「しのぶさん……私、どうすればいいのか……」

「心を痛める気持ちは分かります。ですが、更紗ちゃんが一番命を張ってるのですよ?文献には複数の人を救ったと書かれてはいましたが、それをした人々は力を使う糧がなくなり、命を削って、最終手段で血を使用しています。よほど大切な人を救いたかったか、切迫した状況だったかまでは分かりませんが……現在、更紗ちゃんはその人々とは違い、糧がなくなることがない状況で事に挑みます。先人が試みたことのない未知の危険、血を失う危険と二重の危険が伴っているのです」

しのぶの言葉に息を呑んだのは更紗ではなく杏寿郎であった。

「そのような危険もあるのか?ふむ……ならば俺がその被験体とやらになるぞ。継子である更紗1人に全てを背負わすわけにはいかんからな」
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