第3章 出会い
今朝からずっと続いていた静かな雰囲気から一転、平常運転、明朗快活な雰囲気に戻った。
「そ、そうですか?それならよかったです」
「うむ!それより水を差して悪かった!して、更紗の話を聞いて思ったのだが、君のご両親はご存命なのではないか?」
カッと目を見開き、爛々と輝かせている。
「はい。病気や怪我をしていない限り、どこかで生きていてくれていると思います」
「更紗は地方特有の訛りがない!つまり引っ越していない限り、俺が任されている地域に居られる可能性は十分ある!頻繁には無理だが、任務先で情報を集めてやる!」
杏寿郎の高らかな発言に、更紗はピョコンと座ったまま嬉しそうに飛び上がった。
「ありがとうございます!でも無理はなさらないで下さいね」
ハハハッと笑いながら杏寿郎は大きく頷く。
任せろと言わんばかりに胸をドンと叩き、明後日の方向を見ている。
「俺は炎柱だ!心を燃やし続けていれば、心身共に折れることはない!更紗も剣士になり任務を任された時は、そこで情報を集めれば見つかる可能性も高くなるぞ!」
杏寿郎の提案に更紗の心もパッと晴れやかなものになった。
「はい!私、明日からの鍛錬頑張ります!」