第10章 裁判と約束
禰豆子が眠っている部屋へ続く廊下を2人で歩いていると、杏寿郎から突然更紗に明るい謝罪が飛んできた。
「勝手に継子の話しを進めてすまない!だが、あの3人は常中さえものに出来れば飛躍的に伸びる!ここで常中を会得出来なくとも、継子として迎えてから会得させてもいいと思っている。もし、少年たちが継子の話しを受けてくれたら、新居に一気に4人も増えるが……構わないだろうか?」
更紗としては、賑やかになる事は好ましいと思っている。
何分十数年間1人きりの部屋で寂しく生きてきたので、賑やかな家で過ごすことに憧れがあるのだ。
「もちろん問題ありませんよ!賑やかで楽しそうですし、杏寿郎君が見込んだ方達ですもの、きっと強くなります!ただ、禰豆子さんのお部屋は考えてあげなくてはいけませんね。日の光が差し込まないように工夫しましょう」
相変わらず不満の1つも漏らさず心から喜んでいる更紗に感謝の念が沸き、肩を抱き寄せる手の力を強めた。
「あぁ、そうだな!竈門妹のために部屋を改造するのもいいかもしれん!」
2人であの少年たちが継子になったらの話しに花を咲かせている間に禰豆子のいる部屋の前に到着した。