第10章 裁判と約束
「それは喜ばしい事だと思いますよ?杏寿郎君に鍛錬をつけていただいた方は、間違いなく鬼殺隊の戦力を上げる人材になりますもの!」
実に鬼殺隊らしく年頃の女子らしくない更紗の考えに鬼殺隊の柱を務める杏寿郎は一気に顔色が明るくなるが、まだ何か心配事があるようだ。
「うむ!そういった考えは好ましい!だが新しい継子が男だとしても問題ないのか?新しく賜る屋敷で共に生活を送ることになるが」
再び更紗は首をかしげた。
「何が問題なのでしょう?確かに杏寿郎君と2人で過ごす時間は減ってしまいますが賑やかになって楽しいのでは?」
さすが特殊な環境で育った警戒心が地下の少女。
杏寿郎の心配事が何かは伝わらず。
「いや……2人の時間は作れば問題なかろう。そうではなく……年頃の女子は抵抗があるのではないか?手洗いや風呂など同じものを日々使うのだぞ?」
「何も問題ございません!あの屋敷ではお風呂に入らせていただくことも稀な環境でしたし入らせていただいても……そのお湯が濁っていたと言いますか……それはともあれ、杏寿郎君ならば女である私の身を心配しなければならない方を継子に迎えるとは思えません」