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月夜の軌跡【鬼滅の刃】

第10章 裁判と約束


その箱を炭治郎が目にした途端、背中を見るだけでも分かるほど激しく動揺した。

(あの箱、何が入ってるのでしょうか?竈門さんの大切なもの……もしかすると妹さん?あんなに小さな箱に……?)

更紗が逡巡するも、炭治郎が激しく動揺するも実弥は一切体勢を変えず話し出す。

「おいおい、何だか面白いことになってんなァ……鬼を連れた馬鹿隊員とはそいつか?一体全体どう言うつもりだァ?」

実弥は顔に笑顔を称えてはいるが、明らかに友好的なものではなく炭治郎に対しての怒りのあまり笑っているように映る。

その証拠に隠が箱を手放して欲しいと願っても、しのぶが珍しく苛立ちを含ませながら窘めても聞く耳を持たず、一時も炭治郎から視線を外さない。

「鬼殺隊として人を守るために闘えるだァ?んな事はありえねぇんだよ、馬鹿が!」

そう言い終わるや否や実弥は腰に差されている日輪刀を瞬時に抜き取り、木箱へなんの躊躇いもなく深く突き刺した。

すると幼い女の子と思われる苦痛に耐えるような声と共に、日輪刀が貫通した穴から血が流れ出てきた。

「血が……杏寿郎君!」

縋るように更紗は杏寿郎を呼ぶが、首を左右に振って手も口も出してはいけないと伝えてくる。
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