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月夜の軌跡【鬼滅の刃】

第9章 風柱と那田蜘蛛山


つまり杏寿郎に任せた残りの繭の中は、他と同じく液体と金属しか出てこなかったのだろう。

「いえ、師範の的確な判断のおかげ様です。そうですか……この方お1人だけ……ん?この方、確か圭太さん」

沈みかけていた気持ちが救えた人物の顔を見て僅かに持ち直すことが出来た。
目の前に横たわる人物は棗が亡くなった任務で更紗に苦言を呈し、最後には和解に至った鬼殺隊剣士の石清水圭太であった。

つまり男性ということである。

身に着けていた隊服はもちろん下着も全て溶かされてしまっているので、現在は何も身にまとっていない。

杏寿郎は慌てて更紗の目元を手のひらで隠し近くで待機していた自身の鎹鴉に声をかける。

「すまないが隠の方を呼んできてくれ!出来うる限りすぐにだ!」

「ウム!ソノママ、ショウジョノメヲカクシテマッテイルトイイ!」

ご丁寧に鎹鴉は杏寿郎に指示を残してその場を飛び立っていった。

「師範、この手はいったい……」

なぜ目元を覆われているのか分からない更紗の質問に杏寿郎が言い淀んでいると、神久夜がフワリと降り立ち代わりに説明した。

「更紗サン、目の前ノ方ハ衣服ヲ身に着ケテオリマセン。ソノママ隠ガ到着シテ処置シテクダサルマデ、お待チイタダイタ方が良いカト思イマス」
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