第9章 風柱と那田蜘蛛山
「どちらかと言うと私と杏寿郎君を祝福してくれたからこその神久夜さんの行動でしたので、私に非があるような……気がします。すみません」
恐らく1番の原因は普段から鎹鴉を伝書鳩のように気軽に遣わせていた天元にあるが、要因が色々混じっているので天元1人を責める訳にもいかず、尚且つ更紗が頭を下げるものだから杏寿郎は頬をふんだんに緩ませて許すしかない。
「神久夜も喜んでくれているならば責める事もあるまい!先に父上と千寿郎に伝えてくれて感謝する!さっそく、俺達から直接父上に報告しよう!」
本来は帰ってすぐに槇寿郎に伝えに行く予定であったが、帰ってから次々と柱が門を叩くのでその対応に追われそれどころではなくなってしまったのだ。
「え?俺に謝罪は?」
「ふむ、確かに宇髄1人に原因があったのではないな!申し訳ない!」
と言いつつも明後日の方向を向いているので、本当に謝罪したいのかは本人にしか分からない。
「……いいけどよ。とりあえず派手に報告して来いよ!俺達は千寿郎と準備してっから。戻ったら改めて祝杯といこうぜ!」
2人を置き去りに後ろで盛り上がっているが気を使って皆が声をかけずにいてくれているので、それに従うことにした。