第9章 風柱と那田蜘蛛山
「どうしてこうなったのでしょうか?」
両親との再会を終え婚姻の許可も無事に取れたので、槇寿郎と千寿郎に知らせる為に煉獄家へ戻ろうとしたが、祝杯を上げると天元が言うので引き連れて戻ってきた。
……戻ってきたのだが、なぜか人数がすごい事になってしまっている。
柱全員集合だ。
「何故だろうな!俺にも全く分からないので、宇髄に説明してもらおうか!」
杏寿郎は騒がしい我が家で中心になって酒をかっくらっている人物に詰め寄るも、心外だと言うように眉をゆがめられた。
「待てって!俺じゃねぇ!だいたいお前ん家行く予定してなかったっつーの!」
「ふむ、では一体何がどうなってこうなった」
そこへチョコチョコと前へ出てきたのは神久夜だった。
「申し訳ゴザイマセン、私、お2人ノ婚約ガ正式に決マリ嬉しくて……煉獄家ノ皆様にお伝エシヨウト飛んでイマシタラ、音柱様ノ鎹鴉と途中デお会いシテ……ツイお話しスルト元気二任セロと言って飛び去ってイカレテ……」
「ほら!俺じゃねぇだろ?!なぁ、姫さん!こいつに何か言ってやって!」
思わぬ所から白羽の矢を立てられた更紗は、落ち込む神久夜を胸に抱いて困惑しながら杏寿郎へと視線を向ける。