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月夜の軌跡【鬼滅の刃】

第9章 風柱と那田蜘蛛山


思わず熱くなり言葉遣いが乱れてしまったことに気付き、杏寿郎は頭を下げて謝罪する。

「申し訳ございません。思わず言葉遣いが……」

「いや、構わないんだ。意地悪なことを言って悪かったね。更紗が望んで属している事、持って生まれた力の事、鬼の事を鑑みても鬼殺隊にいるべきだという事は僕も分かっているんだ……更紗、こっちへ来てくれないか?」

涼平の腕を広げ親が子供を呼ぶ仕草に更紗は杏寿郎に伺うように見上げてきたので、杏寿郎は頷いてそこへ行くように促した。

目の前にやってきた更紗を涼平は抱きすくめ、涙を今にも流してしまいそうなほどに眉をひそめた。

「僕は更紗と紗那を心から愛している。だから、その娘の事を真剣に考えて導いてくれる人でないと任せられない……悪いとは思ったが君の本音を聞きたかったんだ。この子が鬼殺隊に属することについてどう考えているのかを」

涼平は更紗を胸元から解放し、頬に手を当て額を合わせた。

「更紗、君は自分でいるべき場所を見つけ、君の事を心から考え悩み、導き支えてくれる人を見つけたんだね」

そうして額を離して頭に手を移動させて撫でる。
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