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月夜の軌跡【鬼滅の刃】

第9章 風柱と那田蜘蛛山


「恥ずかしがることではない!ともあれ辛くなくて安心した、頑張ってくれてありがとう」

からかわれていなかったと分かっても、先ほどの行為から後始末までの一連の出来事は思い出すだけでも更紗の顔を赤くするには十分のようだ。

だが気遣い、礼まで言ってくれる杏寿郎を無視して潜り込んだままでいられるほど薄情ではいられない。

「ご心配ありがとうございます。杏寿郎君も……気持ちよくなれましたか?」

のっそりと布団から目元だけを出して杏寿郎の表情を恐る恐る確認すると、先ほどとは違う優しい笑顔で更紗を見つめ返していた。

「あぁ、更紗が頑張ってくれたおかげでな」

そう言って杏寿郎は腕を伸ばして更紗を引き寄せると、愛しいと体全体で表現するかのように強く抱きすくめた。

「好いた人と肌を重ねられる事は、こんなにも幸せだったのだな。あのような行為がなくとも、たまに肌を重ねさせてもらえないだろうか?」

どうしても肌を重ねると言われると先ほどの事が思い起こされるが、あまり願いを言わない杏寿郎の願いは聞き入れるしか更紗にとって選択肢はない。
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