第2章 追い風
お館様を見つめると、続きを話していいよと笑顔を向けて貰えたので続きを話す。
「そんな煉獄様に、ほんの少しずつでも近付きたいです!煉獄様は私の狭かった……ただ私自身の力を呪うしか出来ない世界を広げてくれました。否定しないで認めてくれました。私も人にそうありたいと思います!自分の力もただ呪うのではなく、必要としてくれる人がいるならば、力にならせていただきたいんです!どうか、煉獄様に育ててもらう許可をいただけないでしょうか?」
更紗の左右に跪く2人は、更紗の真っ直ぐな強い言葉に驚き目を見開いて驚いている。
殊更杏寿郎においては、更紗が自分をそこまで思ってくれていることに、恥ずかしさと共に驚くくらいの喜びを感じていた。
「杏寿郎は素晴らしい子だからね。きっと更紗の望む方向に導いてくれるよ。安心して育ててもらいなさい」
お館様の正式な許可に更紗は嬉しそうに両手を合わせた。
「ありがとうございます!日々努力を怠らず精進致します」
お館様が優しく頷く。
そしてしのぶへと視線を移動させる。