第8章 お引越しとお宅訪問
「今かよ!!まぁ別にいいけどよ。ってな訳で姫さん、これから俺も天元君って呼んでくれ!もしくは派手を司る神、宇髄様でも構わねぇけどな!」
しかしそれに反応したのは更紗ではなく杏寿郎だった。
「ふむ!それはいいな!では派手を司る神、宇髄様。わざわざのご足労感謝する!案内願えるだろうか?さぁ、更紗も!」
「え?!ちょっ……!」
更紗が神などと呼ぶわけないと天元は考えていたが、それは更紗のみの判断であった場合だ。
杏寿郎の一言さえあれば更紗は素直にそれに従ってしまうので今更止めても遅い。
「は、はい!派手を司る神、宇髄様、この度はお招きいただきありがとうございます!皆さんにお会い出来るのを楽しみにしていました」
いつも通りフワリと笑うものだから、天元は止めるよりも笑いが込み上げ腹を抱えて笑い出した。
「ブハハハ!!お前らやっぱ派手に似合いだわ!ブッ!だが、さすがにそれは冗談でとめてくれ!柱合会議でそれで呼ばれたら、派手にアイツらから白い目で見られかねねぇ!姫さんは天元君で頼むわ!」
ようやく呼び名が決まり、更紗は本当にそう呼んでいいのか確かめるために杏寿郎を見つめると、優しい笑顔でいいよと言うように頷いてくれた。
更紗もそれに笑顔で応え、改めて天元に挨拶をする。
「天元君、今日はお招きありがとうございます。よろしければ傘をお持ちしますので、ご案内願えますか?」
天元はニカッと笑いながら杏寿郎を見るといつの間にか天元から傘を取り更紗の肩を抱いていたので、大人しく更紗の申し出を断り家へと向かった。