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月夜の軌跡【鬼滅の刃】

第8章 お引越しとお宅訪問


更紗は恥ずかしそうに身動ぎするも、杏寿郎の胸に顔を埋めながらしっかりとした口調で応えた。

「それは今まで支えて下さった方のお陰様と言うのもありますが、杏寿郎君がそう思って下さっている私は実のところ杏寿郎君の影響が1番大きいのですよ?」

杏寿郎は何を指してそう言っているのか分からず、少し体を離して更紗に疑問の視線を向ける。
それを更紗もきちんと感じ取り言葉を続けた。

「杏寿郎君と初めてお会いした時から、杏寿郎君はブレる事なく常に周りの人に優しく、目的を達する為の努力を日々惜しまず、どんな時も前を向かれています。そのお姿をそばで拝見し、私もそう在らねばと常々思って過ごしているので」

世辞でも何でもない、本心で言っているのが伝わる曇りのない瞳に、杏寿郎は笑顔になる。

「些か褒めすぎのように感じるが、君にそう感じてもらえているならば、光栄の至りだ」

そう言って再び接吻を交わそうとするも、いつの間にか2人の足元に件の鼠が鎮座して、まるで急かすように尻尾を激しく振っている。
そんな姿に2人は思わず笑い、鼠へ話し掛けた。

「待たせた、今から向かうと宇髄に伝えてくれ」

すると鼠は何も反応はしないものの、窓から勢い良く飛び出して行った。
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