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月夜の軌跡【鬼滅の刃】

第8章 お引越しとお宅訪問


「アハハ!流石に家具1つだけでは心許ないな!俺は今まで多くの任務をこなし、柱になってから更に多くの任務を遂行してきた。更紗を1人養うくらい甲斐性はある。将来は祝言を挙げるのだから、そんな心配は無用だ!」

更紗のようなひよっこ剣士と違い、柱は日々たゆまぬ努力と鍛錬を誰よりも行い、他の剣士とは比べ物にならない程の数、強さの鬼を討伐している。

すなわち鬼殺隊内で剣士や隠など、全ての隊士から尊敬され優遇されているのだ。
給金も去ることながら、望めば屋敷までお館様から与えられると言う。

そんな柱である杏寿郎が家具を揃える事など朝飯前である。

「それはすごく有難いのですが、私も何かしたいです!でも、今の私には力不足で出来る事には限りがあって……何かありませんか?」

「何かか……ではしてもらいたい事がある!」

ションボリとしていた更紗は、杏寿郎の言葉にピョコッと背筋を伸ばし目をキラキラさせている。
出来ない尽くしの中でも、出来ることがあると嬉しくなったのだろう。

(愛らしい!むしろそれだけで十分だが!)

とか心の中で思いながら、胡座をかいている自分の足をポンポンと叩いて、まるでおいでと言っているようにもう片方の手を更紗に広げた。
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