第6章 柱合会議とお食事会
それまで沈黙を保っていたしのぶが驚き目を見開いている。
実弥も信じられないものを聞いたというように更紗と杏寿郎を交互に見やっている。
「更紗、お前、あの呑んだくれの酒を取り上げたかァ?」
「い、いえ、私はただ私が話したくて一方的にと言いますか……」
「更紗は突っぱねられようとも無視されようとも、毎日毎食、食事を父上の部屋へ運ぶ際に他愛のない話だが、永遠と話し掛けていた!数ヶ月続いたので、完全に父上が先に音を上げられたようだ!」
そこでしのぶがフフッと笑いを零した。
「更紗ちゃんはは図らずも、煉獄さんがお家にいらっしゃらない時に1番頼りになる方の心を引っ張りあげたのですね」
少し場が和んだところで、全員分の昼餉が運ばれてきた。
「一先ずこちらを食べて、後は甘味処でお話しませんか?美味しくて全員が同じ席に座れるお店も、ばっちり知っているんです」
蜜璃の提案に皆は賛成し食べ始めると……
義勇が今まで見たことのないくらいのとびきりの笑顔で、鮭大根を頬張る姿が全員の意識を全て攫っていった。
口数が少なく言葉足らずな彼は、どうやら年相応の青年の笑顔も持ち合わせていたようだ。