第6章 柱合会議とお食事会
更紗も柱達も鬼舞辻がどのような姿形をしているのか、どのような血鬼術を使うのかも分かっていない。
ただ一つ、柱をも倒してしまう鬼を率いる鬼の世界の絶対的存在。
十二鬼月の上弦の壱よりも強大な力も持っている事だけは確かなのだ。
「仮に煉獄が手放したとて、鬼舞辻の魔の手から月神は逃れられず、今より危険となるという事か……嘆かわしいな」
行冥はまた瞳から涙を流し、更紗へ次から次へと降りかかる災難を払うかのように手を合わせ拝んでいる。
「そうなるな。だからお館様が特例で我が家を知らぬ者には簡単に見つけられぬよう、綿密に隠すと仰ってくださった。それに加え父上は引退した身とは言え元柱だ。万が一、何か良くない事が起こっても的確に対処してくださるはずだ」
「だが、お前の父上は派手に酒浸りの生活だったよな?それで対処出来んのかよ?」
杏寿郎自身、最近では父親が酒を殆ど嗜まなくなったので忘れていたが、父親が柱を引退する事となった要因を天元の言葉で思い出した。
「それは心配ない。父上は更紗が来てからというもの、徐々に酒の量が減り今では殆ど嗜まず、何だったら隠れて木刀を振るまでに回復されたからな」