第6章 柱合会議とお食事会
実弥の返事に安心したように頷き、更紗は再び柱達の後ろを通って元いた場所に戻り座り直した。
ホッと息をついていると、杏寿郎が笑顔で更紗を労う。
「お疲れだったな。体は大丈夫か?」
「はい、まだまだ元気です」
のほほんとした2人のやり取りとは反対に、柱達は蜂の巣を叩いたように次々と更紗と杏寿郎に質問を浴びせる。
声が被り質問を聞き取れない所に、新たな質問が繰り出され更紗と杏寿郎がそれらに答えられずにいると、お館様が人差し指を自らの口元に置いて、静かにと促す。
すると今までの騒ぎが嘘のように静まり、全員が居住まいを正した。
「見てもらった通り、更紗は自分はもちろん自分以外の人の傷を治すことが出来る。その類まれなる力によって、この子は杏寿郎が任務先で保護するまで多くの人に利用されてしまったんだ」
お館様の言葉を聞き、皆はもう質問が出てこなくなった。
気軽に興味本位で聞いていい内容ではないと判断したのだろう。
「そしてこの力は無限ではない。あまりにも重篤な傷を治そうと無理をすれば命に関わるんだ。しのぶ、天元が見付け出した文献の内容を話してくれるかい?」