第6章 柱合会議とお食事会
更紗はゆっくり顔を上げ、まず杏寿郎を見ると穏やかな笑顔で、残りの8人の柱が集結している場所へ顔を向け様子を確認する。
しのぶと蜜璃は心配そうに眉を八の字にして更紗を見つめ、実弥と義勇と小芭内は目を丸くして驚いたように、無一郎は関心が無いようで無表情、行冥は涙を流しながら拝んでいて……肩を震わせて笑いを堪えていたのは天元のみだ。
だが、どちらにしても空気が固まってしまったこの状況を覆すような言葉が思い浮かばないのは変わらず、どうしようかと悩んでいると、任せろと言うように杏寿郎が更紗の背中を軽く2回叩く。
「改めて紹介させてもらう。この少女が月神更紗、俺の継子で許嫁だ。柱合会議の前にお館様からここに呼ばれた事情が説明されるはずゆえ、詳しくはそこで聞いてもらえると助かる!」
すると全ての事情を知っている天元としのぶが歩み寄って来て、更紗の前に笑顔で腰を落ち着ける。
「派手に目立ってんなぁ!!もう派手過ぎて笑いしかでねぇわ!」
「宇髄さん、笑ってはいけません。柱全員に囲まれればこうもなりますよ。更紗ちゃん、大丈夫です。取って食おうとする人はここにはいません」