第6章 柱合会議とお食事会
まず間違いなく夜道を歩る事を、杏寿郎が許すはずがない。
これは鬼がどうとか言う問題ではなく、1人の女性を想うが故の判断だろうが……
「夜は出ないようにと懇々と言われているので出る事は無いのですが、杏寿郎さんが胡蝶様に頼んで下さって、藤の花の匂いのする練り香水をいただきました」
まさしく完全防備だ。
備えあれば憂いなしとは言うが、夜に外を歩かせないのに練り香水まで準備させているとは流石である。
「すげぇな。って、胡蝶とも面識あんのか?」
その質問に更紗はどうしようかと杏寿郎を見ると、やはり聞こえていたようで天元をおきざりに実弥に向き直る。
「それについてはお館様がお話くださると思う!それまで待っていてくれぬか?!」
目力が凄い。
正しく有無を言わせぬ眼力に実弥は仰け反りつつも、承諾するしか道は残されていなかった。
「まぁいいけどよォ。つか宇髄、さっきからうっせぇ」
「ぁん?!んだと!!てめぇに話しかけてねぇだろ!」
「ぎゃあぎゃあ耳障りなんだよォ」
「やんのか?!派手にぶちのめしてやる!」
「あぁ、やってやるよ!てめぇが俺に勝てると思うなよ?!表出ろや!!」
とんでもない所から喧嘩が勃発してしまった。